東大生による、東大生をさぐるメディア

どんな結果であろうと、人は全力を出している。三重県の文系トップがその人生を語る

 
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三浦康太郎
東京大学後期教養学部2年。宮城県石巻高校卒。現役で文科2類に合格。 学内では社会問題についての自主ゼミや起業サークルに参加。 経験格差を是正しつつ、没頭の技術を教育で広めることが目標。 今は、あえて遠回りに視覚や脳について学んでいる。 東龍網編集長。頑張る。
今回取材に応じてくれたのは文科1類2年の臼田直人さん。三重県の四日市高校出身で、なんと三重県で文系トップだった逸材だ。県一位の子ども時代に勉強法、そして東大生になった今。誰もが気になるこれらの疑問に笑顔とたっぷりのユーモアで答えてくれた。

子どもらしくない子供時代

――本日はよろしくお願いします。早速ですが、臼田くんはどんな子どもだったんですか?

[子どもらしくない子供でしたね〜。中学の部活の顧問の先生に「淡白だね、執着心がないね」って言われていたし、高校のときも「達観しているね」と言われました。

――部活をやっていたんですか。

小5から中3までサッカーをやって、高校ではテニスをしました。ただ、高一で辞めちゃいましたけれどね。僕、テニスのセンスがなくて(笑)。テニスをやっていても先がない。それなら自分の得意なものを伸ばしたいなと。そうしないと人生がもったいないと思ったんです。

――では、勉強の方はどうやって点数を伸ばしていったのでしょうか。

僕は勉強が嫌いなわけではないけれど、好きなわけでもないんですよね。ただ、圧倒的に暗記力があった。高校の勉強なんて暗記ができれば乗り切れるところが多いですからね。だから、効率よりは量から入りました。中学は部活ばかりで、一日1時間程度しか勉強してないし、高校受験にしても一日2時間くらいでした。ただうちの高校では一日3時間の自学が必要って言われたから、言われた通り一日3時間こなしました。課題の量も多かったですし。テニス部がたまたま休みの日は、集中して5〜6時間やりましたね。

――なるほど。その頃から東大志望だったんですか?

1年の終わりにはもう東大に行くって決めていましたね。そこからは模試でどれだけ上げられるかの勝負でした。東大にしたのは、やっぱり日本一への欲と、進振りというシステム(現在では進学選択という)があるがゆえに可能性が開けているという点、あとは単純に上京したいということが大きかったですね。

――最初から文1を志望していたのですか?

いえ、最初は文2の予定でしたが、文1でも合格できそうだなーと。同期で理3の人がいたし、文理で最難関フィニッシュ決めたいなって(笑)。文理は高1の夏に決めました。先生が「文系だったら東大にいけるから」と説得してくれたし、歴史とかは好きだったので文系に行きました。

――将来の夢があったんですか?文1なら弁護士とか官僚とかが人気だと思いますが。

いえ、特には。僕って執着が薄いので、海外旅行行きたいなーくらいしか夢がなくて。

――それでよく勉強のモチベーションが続きましたね。

勉強したら自分に酔えるじゃないですか。自分の成長が数字で見える。それで自己肯定感が得られたんだと思います。スタディプラスっていうアプリに自分の勉強時間を記録して、それで一日15時間やったんだってわかったら、やっぱり達成感ありますよね。

――じゅ、15!?

量でなぎ倒しましたね(笑)。睡眠は大事にしていたので、起きている間の密度を高めた感じです。東進の東大特進を使いながら、参考書メインで勉強していました。

――ストレス溜まりそう…

まあもちろん受験のストレスはありました。僕って病弱で、すぐ疲れるんですよ。逆流性食道炎にもかかっていました。あー、そういえば一回視野欠損みたいになっちゃったことがあって。病院でMRI検査受けた次の日が模試で。いやー無理だろって思ってたらその模試が一番成績よかった。MRIドーピングですかね?

――いえ、MRIにそのような効果は認められていないと思います(笑)!

模試の結果なんて信じるな

――そこまでして掴んだ合格はどうでしたか?

合格したときは安心しました。多分受かるとは思っていましたが、東大って発表も遅いし。母がめっちゃ泣いてくれたのは覚えています。あ、これ言っておきたいんですけれど、模試の最高より本番は80点高かったんですよ。模試の採点にビビって東大を諦めるのは勿体無いかもです。

――プラス80はすごいですね。受験で鍛えたことは今も役立っていますか?

受験の知識はほとんど覚えていないかな〜。世界史の近代史とかは大学の講義でも前提知識だけれど、日本史の中世とかは正直何にもできなさそう。ただ、東大の論述ならまだ解けるかも。東大の論述は知識を問われるものではないですから。大学での勉強を見越すと、一番やっといたほうがいいのは英語かな?あ、最近の実感としては、現代文がわからないと法学部は無理だろうと思いました。

――受験で使わない教科については勉強していましたか?

高2の頃は、全教科1位を狙ってみたりしていたので。趣味みたいなものでしたが。

――なるほど。試験で失敗したことはありますか?

高3の古典の試験で134位をとっちゃって。他の科目は全部1位とか2位なのに。単純に時間を間違ってしまったんですよね。時間を間違えたら終わりですよ、受験生の皆さん。あと、模試の現代文で、字が汚くて大問丸ごと0点にされたことがありましたね。東大教授は読んでくれたようで、ホッとしていますが。模試の採点をやる側に回ってみると、確かに採点基準と照らし合わせるより大きくバツをつける方が楽なんですよ…。できれば字は綺麗に書きましょう。

――合格できたのは誰のおかげだと思っていますか?

合格できた一番の要因は自分の努力だと思いますが、自分以外だと母のサポートですね。それと、そもそも目指そうと思ったのは高1の時の先生や東大志望の友達がいたから。どちらかが欠けたら無理でした。四日市高校は過去問などが完備されていたいい高校だったと思います。あ、それと、俺の汚い字を解読して採点してくれた教授のおかげですかね(笑)。

皆、いつだってベストを尽くしている

――東大生になって良かったことはなんですか?

塾系のバイトの時給が高いし、就職も多少安泰なんじゃないですかね、やっぱり。テレビでネガティブキャンペーンをされるから、めちゃくちゃ対人関係のハードルが低いんですよね。親戚のおばちゃんから「東大生なのに挨拶できるんだね」って言われたことがあります(笑)。「東大生のくせに」と言われることもあるから難しいですけれど。

――東大ではどんなことを?

Fairwindというサークルで地方の高校生に東大についての情報提供をしています。自分が地方高校生で、お金もないから強い塾にも行けなかったことから、代わりに地方高校生の味方になりたいと思っていました。

「地方高校生に追い風を」がキャッチフレーズだ。

一年生の頃ハマったものといえば乃木坂46ですね。高校同期の理1の友達とライブにめちゃくちゃ行きました。勉強ももちろんしましたよ!進振りのためになってしまった感は否めませんが。

――今一番楽しいことは?

高1の春にインドネシアにSGHの一環で行って。おじさんかおばさんかもわからない怪しい人に民族舞踊を教わったんですよ。そのときが結構楽しくて。今、巡り巡って民族舞踊のサークルに2年生の春に入りまして。今は乃木坂モチベより民族舞踊モチベが高いですね(笑)

民族舞踊サークルでの、にこやかな臼田さん

大学の講義って、小テストがいっぱいあるわけでも模試があるわけでもないから、「勉強で自己肯定感をコツコツ高める」というのがしづらいんですよね。それに比べて、踊りは上達が目に見えるし、先輩から褒めてもらえる(笑)。これって結構大きいと思っています。僕は結局自分が満足できるか否かが重要だと思っているんです。どの時間のどの人も、そのときその人のベストを一生懸命頑張っている。だから全ては結果論で、僕にとってはどのように語るかが問題なんですよね。アイドルも踊りも、現実を忘れさせてくれる。忘我状態になれるというんでしょうか。それが心地いいからぼくは続ける。それでいいと思うんです。

――受験時に秘めていた格言などありますか?

『黒子のバスケ』 の緑間真太郎の「人事を尽くして天命を待つ」。ぼくは復習はしたけれど反省はしなかったんです。なぜなら人生に同じ状況はないから。「昨日勉強できなかったな」って反省しても辛くなるだけだと思います。反省をしても、それは結果の解釈の一つに過ぎないし。繰り返しになりますが、どんな結果であろうと、人が全力を尽くしていないことはないって思ってます。乃木坂の握手会でも思いました。推しに塩対応されても、それは推しのコンディションでしかない。推しはその時の全力を出してるんです。

――説得力がすごい…。最後に、受験生にひとことお願いします。

人生後悔しないように今一生懸命やるだけですよ、部活でも恋でもいい、自分の人生に満足できるかできないかは自分で決めることです。あ、ただ情報収集は大事だと思います。人の話は聞いた方がいいです。

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございました。私たち『東龍門』は、東大生ならではのノウハウを活かし、受験や勉強に役立つ情報をTwitterでも発信しています。よかったらチェックしてみてください。また、質問などもお気軽にどうぞ!

執筆:三浦康太郎

編集:ニシヤマミオ、遠藤和真

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東京大学後期教養学部2年。宮城県石巻高校卒。現役で文科2類に合格。 学内では社会問題についての自主ゼミや起業サークルに参加。 経験格差を是正しつつ、没頭の技術を教育で広めることが目標。 今は、あえて遠回りに視覚や脳について学んでいる。 東龍網編集長。頑張る。

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