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偏差値35から東大に合格した「現役東大生ライター」西岡壱誠の知られざる信念

遠藤 和真
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遠藤 和真
東京大学工学部3年。仙台第三高等学校卒。一浪ののち理科一類に合格。 論理的思考力と、個々人の能力を引き出す洞察力が持ち味。 多趣味。文理問わず勉強。 最近はブロックチェーンに興味あり。 キャッチコピーは 「ワクワクつくって生きていく」

西岡壱誠の東大合格体験記

今回取材に応じてくれたのは西岡壱誠さん。「現役東大生ライター」として『東大生が教えるずるいテスト術』や『東大読書』の著者である。本を執筆するなんてどれほど天才なのか!と思ってしまうが、驚くことに実際は、元偏差値35で二浪の末、3回目の受験でやっと合格。私たちの想像からは程遠い経緯を持っていた。それでも東大をあきらめなかった西岡さんのメッセージをぜひ読んでほしい。

自分で引いていた“なれま線”

――早速お聞きしますが、そもそも最初に東大を目指した理由は何だったのですか。

実はずっといじめられっ子だったんです。何やっても中途半端、うまくいかない。

もう自分自身を諦めていました。高校までの僕はずっと、このまま中途半端なまま何もなさずに死んでいくんだろうと思っていました。

でもそこで高校のある先生の言葉が転機になりました。僕がクラスメイトにペットボトルで殴られ額を切って、傷口を縫って帰ったんです。完全に僕が被害者ですよ?でも、その先生は僕を殴った人ではなく、殴られた僕を怒ったんです。

「このままでいいのか?これからの人生ずっと中途半端だぞ。中途半端なのは、なぜかわかるか?」

僕は分からないと答えました。すると先生は、

「人間の周りには、誰もが線を持っている線がある。“なれま線”だ。大人になるにつれて自分を諦めて、自分でこの線を引いていくんだ。西岡は自分でその線を引いてしまっている。でも、頑張ればその線を越えられるんだよ。西岡はやりたいことあるか?」

そこで僕は先生に「東大行きたい」と答えました

先生は「いいじゃないか。じゃあ目指せ」と言って、僕は本当に東大を目指すことにしました。

――すべてを諦めていたところから、東大を目指す。想いの強さは想像に難くないですが、実際の成績の方はどうだったのでしょうか?

もちろん志望校とのギャップはありました。そんな成績を見ながら諦めている自分はいたけど、とりあえず進んでみたんです。ただ、センター試験は8割は超える程度の点数が取れていて。勉強はなんだかんだするし、範囲さえわかっていれば暗記はできましたしね。自分が使っている教材ならば数をこなせば、その中で何を問われても何とかなる。

こんな自分じゃ成長するはずがない

――紆余曲折ありながらも、現在は東大生。ご自身に何か才能はあったと思いますか?

僕は勉強の才能はないけど、多分頑張れる人なんだよね。持論だけど、GMARCHまでは頑張れればみんな合格できる。早慶以上はそこに加えて、目的意識とか効率性が必要になってくる。僕が思うに、受験生が自分が落ちた理由の説明には2パターンあるんですよね。

――2パターン。気になります。

1つは「やってない範囲があったから落ちたと」考える人。もう1つは「自分の学習のやり方が間違っていた」と考える人。僕は現役と一浪の末に不合格だったときは、両方最初の方です。やってない範囲があったから落ちた。やったはいいけれど、改善することもなくやりっぱなし状態。

だから、自分のできないところばかりが見えて。心理的には自分で自分を追い詰めていました。でも、結局「やってないから仕方ないじゃん」と開き直る。こんな人間が成長するはずがないですよね。

――では、2浪目は大きく変わった部分があるということですね?

はい。勉強法は大きく変わりました。1浪目までの自分はというと、過去問は解きまくるけど、やりっぱなしで終わっていました。先ほど述べたとおり「落ちた人間」の前者ですね。じゃあ2浪目でどう変えたか。実はこれは『ドラゴン桜』で触れていた内容がまさに本質的なことを言っていて

  • なぜ間違ったのかを分析し、改善アプローチを検討する
  • あやふやな知識と確実な知識を区別し、迷った問題はストックする
  • 正解した問題も、選択肢や誘導がなくても解ける状態まで理解を深める

といったことを意識しました。

友人の思いと“生まれ持たない”自分

――より本質的な学びを可能にしたんですね。ドラゴン桜、いいこと書いてるなぁ。 ちなみに、何か気持ちの面でも変化があったのでは?

そもそも2浪はレアケースなんですよね。これを読んでいる皆さんは、2浪が決まった瞬間の人間の気持ちなんて想像したことありますかね?(笑)

――ほとんどの方がないと思います。

まぁ、「絶望」「地獄」ですよ。2回も同じことで失敗したわけです。もう無理だと思うのが当然ですよ。

――辛い…。

でも、背負うものができたんです。そもそも、自分一人の想いの力はそんなに強くないんですよ。一人では頑張れない人間はどうしたら頑張るか?それは、他人のために頑張る。周りの誰かのために頑張ろうと思う。背負うものがある人間は強いんです。「想いが重い」とでも言いましょうか(笑)

――なるほど。

受験は辛く、かつ自分から逃げやすい。そして一人なら逃げる事は簡単です。他人の思いを背負う人間は、その重さゆえに逃げることはできないんです。

僕は一浪の時、予備校でできた友人と結構コミュニケーションをとっていたんですが、その友人の一人の言葉は、重かったですね。僕より明らかに頭がよくて、受かるだろうと思われていた子が東大に落ちたんです。その人は早稲田へ行きました。ただ、彼が進学を決め、僕がもう1年頑張ろうと思ったときに、「西岡に任せた」、そう言われたんです。

――そう言った友人の思いを背負い、一念発起したんですね。

はい。ただ、他にも要因はあります。僕が浪人していた予備校の校舎は非名門校出身者の集まりでした。御三家とか、進学校の人間はみんな、河合塾なら本郷校、駿台なら御茶ノ水校に集まるんです。そんな感じで、非進学校の集まりである僕の校舍からは、年に東大には志望者が30人いれば2、3人程度しか合格していかない現実がありました。

それを目の当たりにしたとき、「名門校出身者しかしか受からんのか!?才能ある人間しか受からんのか!?」という大きな疑問が浮かんだんですよ。僕は、その”才能”なるものに反抗したかった。2浪、その時点で受験のテーマが、自分の出自、つまりは生まれ持ったものへの反抗へと変わったんです。

――ナチュラルボーンへの反抗、とでもいうべきですか。この思いは今も変わらず抱いているんですか?

そうですね。東大生と肩を並べる際には今でもいつも気にしている部分です。自分は生まれ持っているわけではないからこそ、自分にしかできないこと・語れないことがあると思っています。だからこそ、僕はライターとして執筆している、そういう思いがありますね。

諦めない心の先にあるもの

――そんな二浪経験者の西岡さんにお聞きします。浪人の意義とはなんでしょうか?林修先生などの反対意見もあります。

浪人は必要ですよ。失敗することは大切なんです。そもそも人生に失敗はつきものだし、みんな、失敗への恐怖が大きすぎる。もっと自由で良いんです。中途半端で終わっても、どこかで人は変われるんです。「悔しいから、もう一度頑張ってみよう」で良い。あと、浪人への否定意見についてですよね。僕が思うに、否定すべきは大学の権威主義ではないかと思うんですよね。

――大学の権威主義ですか…。詳しくお願いしてもいいですか。

はい。僕は「流されて」合格する子が多過ぎると思うんです。ほとんどの子は、「行ける大学」しか目指さない。目指さないから、不合格になっても平気な顔をしているし、何の成長ももたらさない。でも、「行きたい大学」があるなら、何浪してでも目指した方がいい、そう思うんです。

僕は「東大多浪交流会」という2浪以上の学生しか入れない東大の団体に所属しているんですが、そういう人はやっぱり面白いし、きちんと自分の意思を曲げなかったことで、自信を得ていると感じる。たとえ他の人より時間がかかっても、目指した目標を曲げずに頑張り続けるって、すごく大切なことだと思うんです

だから、思考停止的に「いける限りの」「“いい”大学」をただ目指すことは、本人のためにならないと思うんですよね。

――なるほど。西岡さんだからこそ言える、重みある言葉ですね。取材の方はここまでとなるのですが、最後にコメントがあればお願いします。

繰り返しになりますが、一歩踏み出してみたらいいじゃないですか!「自分で考え、自分で動いてくれ」と僕は言いたいです。動かないとわからない事はたくさんあるんです。たくさん失敗して、人生をより豊かにして欲しいですね

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございました。私たち『東龍門』は、東大生ならではのノウハウを活かし、受験や勉強に役立つ情報をTwitterでも発信しています。よかったらチェックしてみてください。また、質問などもお気軽にどうぞ!

執筆:小川護央

編集:ニシヤマミオ、遠藤和真

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東京大学工学部3年。仙台第三高等学校卒。一浪ののち理科一類に合格。 論理的思考力と、個々人の能力を引き出す洞察力が持ち味。 多趣味。文理問わず勉強。 最近はブロックチェーンに興味あり。 キャッチコピーは 「ワクワクつくって生きていく」

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