『東大美女図鑑』編集長のミス東大・にちこさんが受験生に伝えたい思いとは

『東大美女図鑑』編集長にして見事2018年のミス東大グランプリにも選ばれた、理科二類一年生・21歳(1浪1留)の西村若奈さん(愛称:にちこ)。実際に会ってみて分かったのは意外にも情熱的な一面。『東大は1つの選択肢として見てほしい』と語る彼女の合格体験はいかなるものであったのか。
コンプレックスゆえの選択
――幼い頃から勉強は得意だったんですか?
『祖母の紹介で入った幼稚園が、その中の1割が東大に行く幼稚園だったんですが、全然そういう風に育った実感はないですね。
そのあと、私がどうも変わってる子だったらしく、公立の学校に行ったらいじめられると親たちが思ったようで、家から通学に1時間半くらいかかる私立に通うことになりました。
小学校入試は難し目で高校までエスカレーターで行ける学校だったんですが、中学から入ろうと思えばそこまで難しくない、バリバリの進学校ではなかったので、そんなに勉強しなくても学校の成績が悪くなることはなくて。
私の出身校って、大学進学者数を目標にするわけでもなく、本当に育ちのいいお嬢様がいっぱいいるところだったんですよね。三分の一は推薦で女子大に行くような。理系で一般受験なんて、クラスに一人か二人。』
――うわぁ、勉強しづらそうですね。東大に入るなんて言ったら大騒ぎじゃないですか?
『高校って一緒にいるメンバー固定化しがちじゃないですか。その子たちにも模試返却のときにバレて。学校に行きづらくなって、高3の時はあまり学校行かなくなりましたね…推薦じゃないから内申点も要らないし。』
――勉強のギアはいつ頃から?
『高2までは授業も聞かないし宿題もしない人で。ミュージカルにのめり込んでいました。部活でも学校外でいて。勉強とか将来とかに目を向けず、とにかくそこに没頭していました。
でも私には取り柄がなかったんです。これといって歌がうまいわけでも踊りがうまいわけでも演技がうまいわけでもなかった。演劇を扱ってる大学って学費が高いところも多いし。実績も覚悟もなかった私にその道を選ぶことはできませんでした。
でも、東大なら肩書きでカバーできるかもしれない。そういった打算も込みで受験を決めました。私の原動力は、案外コンプレックスの裏返しなのかもしれません。浪人しちゃって、演劇のブランクができてしまったのが、大きな誤算でしたが…。』
理解してくれた瞬間は…
――ご家族からの反対は?
『めっちゃ反対されましたね…。「急に東大なんて普通じゃない」とか、「女の子が東大なんて可愛くない」とかって。それまでは九大か京大がいいかな、なんて思っていたんですが、それには「女の子が一人暮らしなんて」と。じゃあ、どうすりゃいいんだと(笑)。』
――反対を押し切ったわけですか?
『現役のときは、「受けたいなら受ければいいんじゃない?」という感じで。それが落ちて、私が浪人したいと言い出したら、もちろん浪人も嫌がられて、結局受かっていた早稲田に籍だけ置くことになったんです。学費を考えればやめて欲しかったんですが…一番贅沢なやつですよね、ほんと…。
ただ、「浪人したいほどの思いだとは思っていなかった」と、理解を示してくれて。そこから親もだんだん応援してくれるようになりました。ただ、浪人中のプレッシャーは、結構なものでしたが。あ、今降年しちゃったんですが、さすがにその学費は自分で賄っていますよ!』
――東大への執着があったんですね。
『早稲田に合格するとすら実は思ってなくて。そこで欲が出たんでしょうね(笑)。あと、もともと決めたらのめり込むタイプなので、他の大学に行く気が起きなかったのもあります。』
――受験勉強時代の思い出は?
『地元の名門男子校の友だちがいて、彼らは本当にらくらく合格しちゃうような頭がいい人たちだったんですが、彼らの普段の生活の話をよく聞いて。本当バカなこともしているんですよね。なんかそれを聞いて、勉強しなくても勉強できる人いるんだって思って、気が緩んじゃったことは覚えています…。今思い返すとダメだなぁ。』
――浪人を経て合格したときの喜びはひとしおだったでしょう。
『安堵。喜びというよりは安堵。発表まで考えると病むタイプだったので、完全に遊んでました。Twitterで、「合格発表まであと〜日」って出るのが嫌でしょうがなかった…。
発表は家で、母とスマホで見ました。現役のときは家族に知られないように、始発で家を出て、フラフラしてから、よく勉強してた横浜のスタバに行って、ネットで不合格を見届けて、夜まで帰らない、というのをやったんですけどね。それと比べたらだいぶ家族との関係の変化もわかりますかね(笑)』
19という数字と私の思い

――ご家族はもちろん、他に感謝している人はいますか。
『ひとりはまちがいなく、浪人の時センターで失敗してから一ヶ月勉強を見てくれた、弟が通っていた塾の先生です。もう一人は…この辺の話は、駒場祭でUTFR(東京大学Fラン同好会)が販売する「Fラン合格体験記」に載せてあるので、そちらで(笑)』
――東大の良さはどこでしょう?
『興味が広すぎて、どういう学科に行きたいとか決まらなかった私にとって、教養学部のモラトリアム東大では入学して2年間は全員が教養学部に所属し、2年次の夏に学科が決まるのはありがたかったですね〜。なんでもやりたいことをやっていられる。』
――『東大美女図鑑』編集長をなさっていることでも西村さんは有名ですね。何か最後にメッセージがありましたら。
『東大に受かる可能性を秘めているのに、東大を特別視する風潮や、女子の高学歴・浪人を嫌う古い価値観を打破したいんです。東大女子の比率ご存知ですか?19%です。理系の単科大学でもないのにこの数字。
なので、お嬢様高校の人とか、地方の人とか、いろいろな東大女子を紹介して、ロールモデルを見つけられるようにすることには意義があると思って取り組んでいます。
ぜひ、女子高生たちには、東大っていう大学を、先入観なく一つの選択肢として見てほしいです。』
にちこさんのTwitterはこちら→ https://twitter.com/misstodai201805
おわりに
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執筆:三浦康太郎
編集:ニシヤマミオ、遠藤和真