ドラゴン桜2をサポートする東大生による、東大生をさぐるメディア

世界を広げてくれる人に会えるのが東大に来ることの価値。

 
この記事を書いている人 - WRITER -
三浦康太郎
東京大学後期教養学部2年。宮城県石巻高校卒。現役で文科2類に合格。 学内では社会問題についての自主ゼミや起業サークルに参加。 経験格差を是正しつつ、没頭の技術を教育で広めることが目標。 今は、あえて遠回りに視覚や脳について学んでいる。 東龍網編集長。頑張る。

今回取材に応じてくれたのは、長野高校出身、文科2類に現役合格したのち教育学部に進学した横谷汐香さん。高校ではかるたに励み、入学後は高山ゼミでの広範な学びを経て、GNLF(Global Leaders Next Forum, 国際会議を主催する団体)での活動や、大手塾の東大志望者向けイベントの大学生運営をしている。彼女は高校までの生活と大学生活の違いを痛感していると語る。

模試英語100点Overの秘訣は?

――高校ではどのような活動を?

『長野高校では一般的に部活と言われているもののことを班活というんですが、私はかるた班に所属して、団体で全国大会に出場したりしていました。そんなに強くはなかったんですが。でも高3の8月の総文祭までやりきりました。』

――班活と受験勉強は両立することができたのですか?

『土日がかるたで潰れて、勉強する暇が全くありませんでした。学校の勉強合宿も総文祭に被っていけませんでした。その分夏休みは死ぬ気で勉強しましたね。Z会の東大即応演習も3月から取ってはいたのですが、結局添削に出し始めたのが12月くらいで、実質的には過去問演習のような使い方になりました。とにかく時間との戦いでしたね。でも、部活を最後まで頑張れたからこそ受験も頑張れたと思っています。』

――どういう戦略で勉強したんですか?

『もともと語学が得意で、英語は模試で100点を超えていました。』

――すごい!!帰国子女だったとか、留学していたとか?

『いえいえ、完全に日本生まれ日本育ちの純ジャパなんですが。DUOと、学校の先生が捨てようとしていた速単上級編を使ってシャドーイングしていたのが良かったんですかね。』

――ドラゴン桜2本編でもシャドーイングは推されていますが、本当に効果があるんですね。

『あとは国語を重点的にやっていました。東大志望の友人と交換添削していた思い出がありますね。』

――英国が固まると強いですからね。

憧れのきっかけは東大生を見たことと東大生になれなかった人を見たこと

――そもそも東大に行こうと思ったきっかけはなんだったんですか?

『考え始めたのはHLABという学生団体が Harvardなどの海外大を含む大学の学生と高校生を集めて開いてくれたイベントの際です。長野県小布施という近場で開催されたので運よく参加することができました。大学生の専攻分野のレクチャーを聞いたり、一緒にホームステイしたりするイベントだったのですが、その実行委員長が信頼できる人で、とてもかっこいい東大生だったんですよね。』

――それは刺激的だったでしょうね。

『それから高2の夏、東京で、進学志向の強い高校生が集まって塾の授業を受けて大学生チューターと話せるイベントに参加しました。周りに東大志望がめちゃくちゃ多かったことに刺激を受けて、東大をより意識するようになりました。』

――しっかりチャンスを掴みとっていますね。

『最後の決め手は私が高校のかるた以外の部活でお世話になった先輩が家の事情で大学に進学することができなくなったことを知ったことです。』

――どういうことでしょうか?

『先輩はとても優秀な人だったのです。なんて理不尽な世界なのだろう…と考えさせられました。思い返してみれば、長野高校の親の職業もなんだかんだ医者・地銀・自営業などとなんだかんだ似通っていることに気づいて。苅谷剛彦教授の「学力と階層」を高2の頃読んでいたこともあって、日本にも社会階層ってしっかりあるよなぁと痛感しました。それで、この構造について学びたいと思ったのですが、どこのなんの学科で学べば良いかその時はわからなかったんです。だから進振りがある東大にしようと思い、社会科学系のうち私が当時知っていた法学と経済学なら経済学かなぁと思って、文2を目指すことにしました。』

東大の目指しづらさ…

――東大を目指すことに対する周りの反応はどうでしたか?

センター試験が終わるまでは「センター次第かな…」などと進学先を濁していました。長野高校は長野では一番の進学校ですが、それでも東大に行くのは毎年ほとんどが男子です。女子が出たのは私の学年で3年ぶり。「女子がわざわざ東大に行ってどうするの?」というような圧力は地方にしては少ない環境でしたが、それでもどこか引け目があって。それで浮いて、心理的に距離を置かれるのは嫌でしたから、おおっぴらには言えませんでしたね…特に夏とかは、文化祭の用意で忙しかったりしてクラス全体のベクトルが勉強に向いてませんでしたから。外れ値扱いされるのはとにかく嫌だったので』

――うぅん、その雰囲気は打破したいですね…。

『でも地元のかるた会の子供から応援してもらったり、家族の支えがあったりで、受験は乗り切ることができました。あ、これが子どもたちからもらった合格くまっていうんですけど超可愛くないですか??』

――今でも取っておいているんですね…。

可愛いお守りだ


縁が繋がって

――大学ではどんな活動を?

高山ゼミに入って本当に多くのテーマ、政治や経済はもちろん、医療や軍事、ITといった分野まで幅広く学びました。自分の担当回の近くでは徹夜して必死で準備しました。(こちらの記事もチェック)そうそう、高山ゼミに入ったきっかけですが、先ほどお話ししたHLABが関わっていて。

――ここでもですか!

『実は高1で憧れたHLABの実行委員長が高山ゼミ生だったことを入学してから知ったんです。本当にびっくりしましたね。それで入るしかないなって思いました。でも、面接試験で私の前で東大入学後に秋からプリンストン大学に入学した人が喋ってた時は、本当にえらいところに来てしまったと思いましたね(笑)。ただ、なぜか受かりました(笑)。いまだになぜ採用していただいたのかわかりません。でも本当に充実した学びが得られました。』

――それはよかったです、縁に恵まれていますね…

『あとGNLFっていう団体に所属しています。次世代のグローバルリーダーの育成を理念とし、他者を理解し尊重しようとする姿勢を学ぶための場として、年に一度2月下旬にフォーラムを開催しています。フォーラムのテーマは毎年異なりますが今年は「マイノリティ」でした。例年世界中から10数カ国(パキスタン、キルギス、チュニジア、ブルガリア、スロバキア、アメリカなど)から合計50名程度の大学生・大学教授が参加します。私はマネジメントチームの一員としてフォーラムのコンテンツ準備を含む運営に携わっています。』

――横谷さんは文2で入って教育学部に進学したとのことですが、それはどういう経緯ですか?

『最初はふらふらしてました。1年生で経済学を履修して、経済学って理論重視なんだなぁと思って…私はもっと人間くさいことやりたいなぁと思いました。東京に来てから、長野が海なしだったことの反動なのか(笑)魚が好きになって、水族館の年パス2つ買って行ってたりしたので、農学部の水圏コースもありかなぁとか考えたこともありましたね。進学選択にあたってはかなり多くの先輩に相談しました。その中で、社会学という学問に出会い、本田由紀教授(教育学部比較教育社会学コース)の本を読んで、階層論についての原体験もあり、やはり自分のやりたいことはこっちにあるかもなぁと。』

――迷えるのも特権ですね。

横谷さん撮影、タイの水族館のピラルク(奥)・レッドテールキャットフィッシュ(手前)

上京してみての違和感

――話は変わりますが、横谷さんは長野出身です。東京で生活してみての感想はどうですか?

『長野→東京の環境の変化もありますが、高校までのコミュニティの価値観と東大のマジョリティの価値観の違いが大きいです。高校までは真面目な話をクラスの友達とするなんてそうそうなかったんですが、東大では堅い話も日常的にできるようになって、居心地良いです。』

――あぁ、それはよくわかりますね…。

『スポーツができなくてもそれがおかしいことだとは思われない。やっぱり勉強に対しての重み付けが東大生は大きいんですよね。長野だとなんだかんだスポーツできる男子が人気で、運動できないと勉強ができてもね…という感じでしたが、東大内では全然そんなことはない。最初のスポーツテストで私より運動できない人がいてびっくりしたけれど、本人は楽しそうだし周りが嘲ることもない。カルチャーショックでした。』

――勉強への重みづけは確かに大きい。

『勉強やテストの点数の話も、良い意味でも悪い意味でも多いですね。自分の高校は長野県では最良の環境だったとは思いますし、高校までの生活は実際すごく楽しくて不満はありませんでした。それでも、もうちょっと東大に近い環境だったらそれはそれで面白かったかもなぁと思う時もあります。

受験生へ〜東大に来る価値とは〜

――高校生に言いたいことはなんですか?

『うーんめっちゃあるなぁ…。まず、東京めっちゃ楽しいし東大の人面白いよってことですね。高校生の時に思い描いていたのより10倍くらい楽しい。頑張ってここまできてよかったなと思えています。これからどうしたいとか考え中で、全然先は見えないけれど、そういうことを考えるにあたって、機会・人・モノは東京のほうが圧倒的に多いし。もちろん地方にいないと見えないものもあるけど、凄い人が周りにいる価値っていうのが高校生のときはわかってませんでした。自分の想像を超える人物がいるというか…「物語の登場人物は作者のIQを超えられない」っていう話があるけど、世界を広げてくれる人に会えるのが東大に来ることの価値ですね。

――「物語の登場人物は作者のIQを超えられない」、まさに。共感する東大生も多いと思います。

『あと、睡眠めっちゃ大事です。私、小学生の頃は10時間寝てましたし、中学生の時も9時間、高校でもセンター前以外は22時には寝てました。むしろ朝30分だけ早く学校に行って集中して勉強するようなスタイルでした。受験生は寝るのが一番大事です。異論はあるでしょうが、徹夜なんて大学生になったらいくらでもできますよ!(ニッコリ)』

――その笑みの意味が知りたい…

おわりに

最後までお読みくださりありがとうございました。私たち『東龍門』は、東大生ならではのノウハウを活かし、受験や勉強に役立つ情報をTwitterでも発信しています。よかったらチェックしてみてください。また、質問などもお気軽にどうぞ!

執筆:三浦康太郎


この記事を書いている人 - WRITER -
三浦康太郎
東京大学後期教養学部2年。宮城県石巻高校卒。現役で文科2類に合格。 学内では社会問題についての自主ゼミや起業サークルに参加。 経験格差を是正しつつ、没頭の技術を教育で広めることが目標。 今は、あえて遠回りに視覚や脳について学んでいる。 東龍網編集長。頑張る。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 東龍網ーTORYU NETー , 2019 All Rights Reserved.